ステレオ誌付録デジタルアンプ - ケースの工作だけです 2014年1月

   ■製作  ステレオ誌 2014年1月号付録のデジタルアンプ LXA-OT3の基板を、ケースに入れるだけの工作。  LXA-OT3は、スイス STマイクロ社TDA7491HVのアンプICを使用し、電源スイッチ付ボリューム、出入力端子DC15VのACアダプタ(スイッチング電源)が付属していて、ケース無しの裸でも接続すれば音が出る。  ケースに入れたら、書斎のパソコンに接続した机上オーディオシステムとして使用する。  今回は、電源を外部のまま内蔵しないこととし、タカチ社のアルミ小型ケースCH4-15-10(W150 H40 D100)を使用。スイッチ兼ボリュームは基板のものをそのまま使用。ボリュームつまみ、入出力端子(DC電源2.5mmジャック、ライン入力RCA、スピーカー出力ターミナル)、電源オンオフ確認用のLEDは手持ち部品に交換した。 ・作業中、ライン入力のRCA端子を基板から外す際に、基板パターンのランドを剥がしてハンダ付けできなくしてしまい、片チャンネル不通にしてしまう失敗があった。  修正が難しそうだったっため、ステレオ1月号をもう一度買ってやり直した。残念。  前段のOPアンプは音質に影響する要の部品。普及品クラスのJRC4558Dが付属していたが、手持ちのものを試聴した結果、MUSES8920に交換した。   JRC45558D   やや歪っぽく、うるさく聴こえる。   OPA2134    歪感が無くなり良い感じ。   JRC MUSES8920 歪感が無く、各楽器がそれらしく聴こえて良い感じ。  電源は、ヤマハ製ACアダプタPA-M20(トランス電源)に交換。定格14V 800mAだが、非安定化電源で、無負荷17.1V位、LXA-OT3がシャントしている10kΩ負荷で16.1V位。  基板の定格内でちょうど良いだろう。パソコンの電源入切に連動するタップに接続し、パソコンが起動している時以外はACアダプタの元電源はOFFになるのも具合良い。 ■使ってみて  スピーカーは10年くらい前に購入し使わずにいたVictor SP-NXMD1000-B(インピーダンス4Ω)を使用。ダイレクトドライブ・スティック・スピーカーと言っていたが、テレビ用?の細長い平面振動板ユニットを細い円筒状に仕上げたもので、今回のようにパソコンのディスプレイ両脇に置くのにちょうど良い。低音は無理でまるで出ないが、人の声などは聴きやすい。  アンプ、スピーカーの組み合わせのトータルでは、低音が出ない、少し音量を上げると歪っぽい、音場が中央に狭く集まりステレオ感が少ない、などHi-FiではなくLo-Fiのシステム。アンプ以前にスピーカーの限界だろう。  今回の用途は小音量、ニアフィールドでパソコンからの音を聞く用途と割り切っているのでこれで満足。    ■お役御免に (2016年4月)  1年以上前のことだが、メインとしているオーディオシステムのアンプを RASTEMEのRDA-520からSONY TA-A1ES に変更した。ラステームは、そこそこの音なのだが、スピーカーをドライブしきれていない感じで、真面目で色気の無い音だった。ソニーに換えて満足している。  ラステームアンプは余分となり、使わないでいたのだが、これをパソコンの音声にどうか試してみた。  ラステームアンプは、デジタル入力をデジタルのまま増幅するフルデジタルアンプだ。USB入力も可能なので、パソコンとはUSB接続で行ける。  LXA-OT3に比べ、縦横高さとも2倍程度だが、何とかディスプレイの後ろに隠せるサイズである。  試聴してみると、やはり雑誌付録のLXA-OT3とは格が違い、音質は数段上。fレンジ、dレンジが広がり、団子状だった音の分離が向上した。音量を上げても歪っぽくならない。これなら、音楽を聴く気になるレベルだ。YouTubeの合唱演奏など聴けるなら私はありがたい。  LXA-OT3では、パソコンのヘッドフォン出力端子からのアナログ・ライン入力であった。RASTEMEはUSB入力なので、この点も有利なのだろう。  とはいっても、スピーカーは同じ円筒型なので、相変わらずLo-Fiの域であるが。  ということで、せっかくのケース製作だったが、RASTEMEアンプに座を明け渡し、LXA-OT3はお役御免になった。