日光から長野へ-日本ロマンティック街道をたどって秋の高原と温泉の旅 2013年9月
●テーマ
「日本ロマンチック街道」をたどり、秋の高原と温泉を楽しむ。
ルートの詳細は、
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=dffc08b50174d67a337cc1d7ad8319bc
●第1日 9月27日(金)
近所の駅を6:26発。池袋駅乗り換えで輪行。東武線には栗橋から乗り入れ。
東武日光駅9:29着 [標高:538m]。
特急日光1号にはちょうど良い荷物置き場があった
自転車をゆっくり組立て、10:20駅発。
神橋、東照宮五重塔を見物。修学旅行中の山形県東根市の小田島小6年生から、クラスで作った市のPRパンフをもらう。
11時、日光田母沢御用邸記念公園の「たくみ庵」で湯葉そば。そば、不味くはないのだが細切れ。
11:40頃そば屋発、馬返[800m]から、第二いろは坂に入り、明智平 [1,270m]へ。
カーブごとに「い」から始まり、順に標識が出ていた。なるほどいろは坂だ。緩いカーブには無いので、90度以上とかの基準があるのだろう。
「わかよたれそ」あたりまでは意識していたが、最後の文字が何か記憶にない。今ネットで調べると「ね」で、20番のカーブだそうだ。
最軽のギアを活用し、ヘトヘトにしんどくはならなかった。気持ち良い疲れ。
いろは坂の最初のカーブは「い」
途中、何度か小休止
到着した明智平は標高1270m。気温が少し下がった。
明智平の展望台
国道120号を、明智トンネル、中禅寺湖へ。
寄り道して、華厳滝、竜頭の滝を見る。どちらも小学校の修学旅行以来。紅葉はまだだが、それぞれに良かった。
華厳滝
竜頭の滝
戦場ヶ原の中の道は、ごくゆるい登りだが、下りのようにも錯覚。
硫黄泉の臭いがする湯滝、湯の湖。水面から湯気が立つ。環境省の運営するビジターセンターがある。
湯の湖周辺は国立公園らしい落ち着きで、観光地色が無いのが良い。
1泊目の日光湯元温泉「湯守釜屋」に16:30到着。余力を残し、気持ち良い疲れ。
宿は、値段相応。部屋は合宿所的、食事もそれなりだが、燗の地酒、四季桜は意外にうまかった。
温泉も硫黄泉で良かった。大風呂は39度くらいのぬるめ、中風呂は42度くらいで暖まった。
登り日計947m、距離日計39.5km。
●第2日 9月28日(土)
宿を8:30出発。国道120号に戻るとすぐさま登り。天気も良く、次第に汗びしょに。
朝食を目いっぱい食べたのが、胃の中でまだ消化されていない。
宿を出発して登り始め。今日も良い天気
400m弱の登りで金精峠・金精トンネル[1,840m]に9:20到着。まず一仕事終了。ここは、まだまだ元気。
金精峠、金精トンネル栃木県側
トンネルを抜けると、すぐ急な下り。ウィンドブレーカを着て正解。
路面の荒れが目立ち、注意しながらのダウンヒルで、菅沼、丸沼、白根温泉を通過。
鎌田まで道端に農産物売りが多く並び、トウモロコシ街道というらしい。焼トウモロコシのほか、トマト、カボチャ、干シイタケ、豆類が売られていた。
吹割の滝[620m]に寄る。広い川幅の三方から中央の溝に水が落ちる見事な景観。
吹割の滝
ここから登りが始まり、大原を経て、本日二つ目のピーク、椎坂峠[833m]まで5kmほど登坂。途中、いったん下りもあって、なかなかキツく、意外の難関。
関越道沼田IC付近のK'sデンキで、カメラのメモリーカードを補充。
旧製品のカメラなので、1Gまでとされ、店頭にある大容量メモリーはダメ。店員さんが親切に調べてくれ、2GならOKとわかった。感謝。
沼田市街に入り、13:20頃、当地の名物、焼き饅頭2串で昼食にする。「東見屋」は老舗らしい。胃が受け付けなくなってきているので、軽くてちょうど良い。
沼田市街で昼食
沼田市街地からいったん川の谷間に降りて、戸鹿野町交差点[320m]で国道145号へ。谷間から上がったあと、だらだらとした登り続き。だんだん登りがこたえてくる。
本日三つめのピーク、権現峠 [740m]に向けて、最後は勾配が結構きつくなった。
権現峠 振り返って
国道353号で中之条町までは下りで快走。
中学生の頃、中之条高校のグラウンドで県陸連の強化合宿があった、なつかしい町だ。
でも町の中も勾配が結構ある。ビエンナーレのイベント期間中で若い人の姿が目立った。
主要地方道55号に入り、沢渡温泉までラストが少し登り。足が止まってきた。朝食以降、食事のとり方がまずく、補給がうまくできなかったことも一因だろう。
途中、製材所がビエンナーレの一会場になっていたので、見学。
2泊目の沢渡温泉「三喜屋旅館」に16:30到着。
沢渡温泉の中心地 右が三喜屋旅館
沢渡温泉は、今より賑わっていたが、昭和20年代に大火があり壊滅状態になったそう。今は10軒ほど、ほそぼそという感じ。四万温泉に比べて名も知られておらず、観光地的要素が無い、ひなびた町。
共同風呂は、あるがままの風情で、かけ流しで清潔感あり、良かった。二つの湯船の一方は特に熱く入れなかった。
三喜屋旅館も、民宿的な木造の小さな宿。簡素だが、掃除が行き届いており感じよい。料理も、旅館風フルコースでなく安い家庭料理コースを選んだが、地元の食材を使い、美味しかった。好感が持てた。地酒「貴娘」の燗も美味しかった。
宿の温泉は小さいが清潔。硫黄泉で42度位とちょうど良い。ゆっくり浸かれて良かった。
40代の若主人は、トライアスロンを昔やった、乗鞍のヒルクライムレースに出た、とのこと。
家族に昨日から無事を知らせるメールをPHSで送っているが、送ろうとして圏外。沢渡温泉はアンテナが無いのだ。
この日の登り日計1228m(途中の下りロスを入れれば1300mだ)、距離日計95km。
●第3日 9月29日(日)
昨日、足が止まったことから、今日の計2,000mの登りが不安。若主人によると、暮坂峠は大したことない、草津までの登りの方がきつい、渋峠は道が広く、風景が広がるので、割と登れる。とのこと。
次の目的地、渋温泉の宿にキャンセルを連絡して、草津で泊まるべきか、逡巡しながら8:50に宿出発。
今日は、スポーツドリンクを半分に薄め、エネルギー補給することに。
若主人の言葉を力に、まずは暮坂峠に向かう。すぐ登り坂。道幅狭く、センターラインが無い1車線道路。林道のようで傾斜も厳しい。が、ゆるい箇所もあり休めて助かった
10:10到着した暮坂峠 [1,088m]では小休止にとどめる。足は大丈夫、行ける感じ。スポーツドリンクの補給も効いている感じで、胃も問題ない。
10:15発。
暮坂峠
六合へは下り。六合村 道の駅に10:30到着。
休憩。ソフトクリーム。手持ちのどら焼き。11:15発。
湯の平[775m]で左折、しばし林の中の登り。
若主人の言葉で心配したが、勾配は暮坂峠の登りと同じようなもの。助かった。
12:10 草津温泉[1,150m]に到着。
湯畑近くの蕎麦屋でもりそば大盛りと舞茸天ぷら。喫茶店で1時間近く休憩。
草津でようやくPHSのアンテナが立ち、昨日のメールを送る。送れたが、電池切れに。
草津の中心地 湯畑
行けそうな元気を頼りに、温泉まんじゅう2個を食糧に買い、13:45出発。
この後、18kmで1000m登る行程。時速9km/hなら2時間だが、休憩入れて2時間半か、悪くすると3時間の計算だ。
きつい勾配ではないが、だらだらの登りがずっと続く。
草津から登り始める
林を抜け、草津国際スキー場付近
殺生河原は、硫化水素が噴き出す、黒い大きな岩がごろごろの所。駐停車厳禁、ガスを吸うなということだが、こちらはハアハアと大きく息をしている。風向きが反対方向だったので、まともにガスを吸わずに済んだ。
途中、ロープウェイと並行し、さらに登って交差するあたりは、風景がパノラマ。高い木が無くなり、つづら折りの坂が連続。見通し良い、広い光景に。
つづら折りを登り、横に見えていた白根火山ロープウェイの下をくぐる
その後も、つづら折りの坂道が続いた。弓池のあたりでいったん100mほどの下り。
ドリンクが無くなってきて、困ったと思っていたら、白根山の休憩所。助かった。
15:30 逢の峰付近の展望ポイントで小休止
さらに登って行き、山田峠。また下るかと思ったら、鞍部の峠で下りはわずか。
あと少しを頑張り、ようやく、16:40渋峠に到着。やはり3時間かかってしまった。
日本国道最高地点 [2,172m]。目標を達成、やり遂げた。夕暮れの景色が美しい。
休み休みだったが、意外につらくなく登った。
最後まで足も止まらなかったのは、スポーツドリンク方式の補給が成功か。あるいは、脳内ホルモンの分泌で「ランナーズハイ」になり、高揚し、苦しいけど幸福感!?
渋峠 日本国道最高地点 2,172m
写真を撮り、休む間もなく、汗を拭き、ウィンドブレーカ、ジャージパンツを重ねて、出発。
日が暮れないうちに渋温泉に着かねばと、日没と競争。ダウンヒルを飛ばした。
路面は良く快走。しばらくは、ゆっくり下るバスの後につく。速くなりすぎず良い。といっても50km/h前後。
横手山、熊の湯、木戸池、蓮池、丸池、サンバレーと志賀高原を下り、上林温泉。道路が、自専道のようになり、ICの表示。佐野角間ICで降り、少し引き返して渋温泉の町に。ほぼ日暮れになった。
3日目の宿、渋温泉 小澤屋旅館[約700m]には30分遅れの17:30着。
「小澤屋旅館」の部屋は広かった
宿は、木造2階の老舗旅館。70代後半の老夫妻と娘さんが気持ちのこもった対応。
宿の温泉は源泉が2種類。一方は無色透明で熱め。他方は軽い硫黄臭のぬるめ。どちらも良かった。町の共同風呂も行ったが、小さい木の湯船で面白かった。
宿の料理は、種類多く、量もあった。普段なら食べきれないが、この日は完食。冷蔵庫のカップ酒の本醸造酒(銘柄忘れた)はスッキリ味。燗にしたいところだったが。
部屋も古いが12畳半。他に客がいない。採算度外視で大丈夫かと心配になるが、紅葉やスキーなどこれからがシーズンか。
この日の登り日計 1935m(途中の下りロスを入れれば2000m超だ)、距離日計75km。
●9月30日(月)
昨日の疲れは持ち越していない。筋肉痛、膝痛、腰痛もない。
この日は、坂の登り無しの、のんびり観光ポタリング。国道292号、一本木栗和田交差点、新井交差点を経て、七瀬交差点で左折。
一段と細い国道403号(谷街道)を小布施町へ。やや下りなので、気持ち良い快走。渋温泉の宿で、小布施なら今、新栗が出ていると聞いていたので、道端売店で購入。
小布施ワイナリーに寄り、町の中心地に。
焼き栗をテントで売っていたので求める。栗を使った和菓子屋が多い。観光バスも来ており、観光客多い。
小布施の中心部
幅員狭い小布施橋 [328m]を経て、豊野交差点を左折。アップルラインを南下。りんご畑が道沿いにあり、赤黒いような色濃いリンゴ「秋映」が目につく。
1個試食できないかと思っていたら、地元農協の店があり、試食コーナーを発見。残念ながら「秋映」は無かったが、何種類かの試食。美味いが感激というほどではなく、宅送購入はやめた。
柳原北交差点を右折、東和田交差点を経て、長野新幹線・信越本線と交差の筈だが、長いフライオーバーあたりで方向を間違い、行き過ぎた。犀川まで行った。
5km近くロスし、善光寺近くで昼食。ソースカツ丼650円也。
善光寺 [390m]にお参り。参道が広く、両側に店が並ぶが、落ち着きがあるのは良い。
善光寺の山門
善光寺から下って長野駅へ。自転車をたたみ、輪行袋に。
長野駅[360m]から14:59発東京行き長野新幹線で輪行。車両最後部席が取れた。
東京駅で乗り換え。自宅近所の駅に17:33着。
この日の登り日計62m、距離日計45.6km
●まとめ
4日間の実走行時間16:40、平均15.3km/h、Max57.3km/h
登り計 4172m(ルートラボによる標高獲得4704m!)
走行距離計 255.1km。
60歳の泊りがけ自転車ツーリングだが、達成できた。
書籍の二つのモデルコースが重複していた草津で、無造作につなぎ合わせて3日目のコースにした。知らず知らず難度の高い一日になってしまった。
何とか走り切ることができ、達成感になった。でも、もう一度と言われてもできない。
●装備関係の覚え書き
自転車(アラヤ クロスバイク MF700CXC-A490 改)
・トラブル無し。
・1992年購入の21年目の旧車。過去、ハンドル、サドル、ペダル等あちこち交換。
今年、フルヤサイクルで大メンテナンスをしてもらった。前後ハブとBBのオーバー
ホール、ワイヤ・チェーン・ブレーキシュー・クイックの交換、ブルホーンバーの
切り詰めなど。合わせてタイヤも交換。このところの朝練で馴らし済み。
・ポジションOK。サドル高さは適当で、膝の痛み無し。ハンドルの高さ・距離も適当。
・ブルホーンハンドルの短縮により、登り下りとも握りやすく、問題なし。
・ギア比の低さに助けられた。急坂もインナー・ローでくるくる行けた。
もう一段ほしいと思った場面も何度かはあったが。
・前ディレーラの調子が今一つで、インナーに入らない場面があった。
全くトルクがかかっていなければ入るが、坂にかかっていると入ってくれない。
・フォークの暴れなく、ブレーキも効いて、下りも安心できた。
・サドルがやや右に曲っていて、走行も曲がるのに気づいた。途中で修正してOK。
・タイヤは、パナのパセラ28Cで正解。今回のツーリングにちょうど良かった。
太すぎず、平地や下りを快走できた。
細すぎず、道路の路面荒れ、小石や木の枝・実などの落下物も不安無かった。
・台湾 オウルアイ製USB充電ライトは、明るく役立った。
ただ、リクセンバッグが邪魔して、取り付け場所がうまく取れない。
装備
・服
(ライド時)
・七分丈レーパン1、五分丈レーパン1
・モンベルジャージ1+裾止めバンド
・ユニクロ長袖ジャージ1、パール半袖ジャージ1
・半袖アンダー1、長袖アンダー1
・レッグウォーマー1
・ウィンドブレーカ1
・靴下2
・グローブ 指先無し1、あり1
・ランズエンド雨具上下
(往復時)
・往路:モンベルジャージ(下に五分丈レーパン)
ユニクロ長袖ジャージ
復路:七分丈レーパン+レッグウォーマー
ユニクロ長袖ジャージ
(宿泊時)
・宿の浴衣
・Tシャツ1
・ユニクロステテコ2
・長袖ジャージ+半袖アンダーと七分丈レーパンで、基本はOKだった。
下りの冷えに、ウィンドブレーカと長ジャージは役立った。新聞紙1枚も。
グローブは指先無しと有りの2種持っていき、正解。
・ジャージは、背中ポケットがないと不便。
・雨具のレインコートとジャケットを念のため持って行ったが、使わずに済んだ。
重くかさばるので、もっと適当な品があれば良いのだが。
・シューズは、足囲がきつい感じだったが、途中前二つのベルトをゆるめ、OK。
・装備品
(バッグ類)
・輪行袋、フロントバッグ、リュック/ウェストバッグ
・リクセンカウルのデイパックボックスは、ゆるまず、安心できた。
・リクセンカウルのヴァリオラックをシートポストに付け、リュック/ウェストバッグをくくりつけた。
バッグは容量があり、輪行時は背負える。融通が利くので良い。
(身に着ける)
・時計、財布(保険証、カード類、鍵も)
・ハンカチ、ティッシュ
・レッグウォーマー
(フロントバッグに入れる)
・地図コピー、カメラ、筆記用具・メモ帳
・携帯電話、ウェットティッシュ
・予備グローブ、ウィンドブレーカ、食糧
・バッグレインカバー、新聞紙
(リュック/ウェストバッグに入れる)
・モンベルジャージ、雨具、工具
・着替え、洗面具、ティッシュ予備